N's Diary とある護衛のストーカー日記



04



最近ルーナ様は、兄君のユアン様より白魔法を教えていただいているようだ。

あの巻き舌で一生懸命呪文(スペル)を唱えられる姿は……


はっきりいって犯罪級に可愛らしい!

おっと、思い出して鼻血が……。

                 



しかし才能はおありでも、発音が不明瞭なためか本来の魔法効力が損なわれているようなのがまたなんとも微笑ましい。

そのためかユアン様やアマリー様に内緒で魔法の(というか発音の練習?)練習をなさるなど、なんと努力家なのだろうか。


本来ならばお一人での魔法の練習など、お止めするべきなのだろう。

だが、この任務には主人から強く言い含められていることがある。


『誘拐や事件がおきたとしても、命の危険に直接さらされるようなことがあるまではルーナに決して干渉してはならない』

つまり私はルーナ様が直接危害を加えられるまでは手出し無用なのだ。
助け出すことよりも見守ることの方がどれだけ難しいか。

主人にとっては考えがあってのこと。
私が思うに、ルーナ様に危機意識と共に自分の身は自分で守れるようにというお心遣いなのだろう。

しかし私にとっては、今までこなしてきたどんな任務より心臓に悪い。



あっ、今度はこっそり黒魔法など!

あぁぁぁ、指先に炎球できてます!
魔法書に夢中で気づかれてないから、火の粉が下に落ちる……




もちろん消したに決まっている。
それも気づかれないようにな。
これでも魔法、剣術、体術ありとあらゆる技術(スキル)を身に着けている。




それにしてもルーナ様が成長なさる前に私の心臓が持つだろうか……。


そういえば先日髪に一本の白髪を見つけてしまった……はぁ。




- end -

ブログからの転載です。ちょっぴり加筆修正。
だんだん壊れてきたNさん。
老け顔なのに、白髪まで……不憫。