N's Diary とある護衛のストーカー日記



03



ルーナ様は三歳になられた。
こうしてルーナ様を陰ながらお守りして早、二年。
月日がたつのは早いものだ。

子供のことがよく分かるわけではないが、ルーナ様は普通の三歳児に比べるとずいぶんと言葉が達者のようだ。
年が離れたご兄弟の影響だと思われるが、ご本人の聡明さ故なのだろうとも思う。
時折その無邪気な瞳の奥に、深い英知が垣間見えるのは、私の気のせいだろうか。

しかしまだ舌足らずの言葉。

「まーしゃ。きょうあ、ごほんをよんえ?」

ああぁぁ、なんと愛らしい!

羨ましいぞ、マーサ殿!!
できれば私が今すぐ膝の上に乗せて読んで差し上げたい!

私の特技である、様々な声音を使い分けての朗読はきっとルーナ様も喜んでくれるだろうに。


今日はきらめく銀髪によく似合う青いリボンを結ばれ、首元にレースをあしらった白い絹のドレスをお召しになっておられる。

ルーナ様が白をお召しになると、本当に天使のようだ。

いかん、うっとりしすぎた。



そういえば、昨日主人にルーナ様は天使の如く愛らしいと言ったら、おかしな顔をされてしまった……。

父親の目線から見るとそうは見えないのだろうか?
謎だ。



- end -

ブログからの転載です。ちょっぴり加筆修正。
ルーナ父はちょっぴり彼を選んだことを後悔した模様。
自分の変態加減には自覚のないNさんでした。